はじめに

衛星アンテナは反射板の面積により大きな風圧を受けます。また、アンテナの指向性は極めて鋭く、アンテナが風で揺れるようなことがあれば、安定した受信ができません。風によるアンテナ被害を受けることなく安定した受信ができるよう、取付等には十分注意を払う必要があります。
正しい手順に従えば経験のない方にもシステムの設置は可能ですが、専門業者への依頼をご希望の方は潟潤[ドまでお気軽にEメールや電話等でお問い合わせください。

アンテナ設置場所の選定

次の事項に注意してアンテナの設置場所を選定してください。

□ Cバンド受信用アンテナの場合は、マイクロ波からの混信がない場所。詳しくは混信問題のページ参照。
□ 受信対象とする衛星の方向に障害物がない場所。
□ アンテナとチューナ(衛星受信機)間のケーブルの配線が容易な場所。
□ アンテナの調整作業が安全に行える場所。
□ チューナまでのケーブル長が20m以下となる場所。
□ アンテナ用マストの取付が容易な場所。
□他の人が不用意にアンテナに触れない場所。

※上記のような条件を満たせば、アンテナを高い位置に設置する必要はありません。

 

工事作業について

直径1m以下の小型アンテナならBSアンテナ取付用として一般に市販されている取付金具等を流用することができます。しかし、直径が1mを超えるようなアンテナになりますと手すり取付のような簡易設置は困難となり下記のような方法が一般的になります。

アンテナ
基台

据置台

屋上や地上の平らな場所に置いた専用台にコンクリートブロック等の重石を置き、アンテナが風圧で転倒したり移動したりしないようにします。設置する高さやアンテナの大きさに基づき風圧加重を算出し、アンテナを強風時にも安全に保つために必要な重量の重石を用意します。
特に屋上に設置する際、建物に手を加える必要がなく、アンテナの移設にも対応できることから、最も多く利用される方法です。この方法で30〜40階の超高層の屋上への設置例も豊富です。

コンクリート 基礎

地上に穴を掘り、マスト用金属パイプの下部を地中に埋めてコンクリートで固める方法と、地中にコンクリートを流し込んで作成した基礎にアンカーボルトを埋め込み、ボルトにマストを固定する方法があります。
簡易な方法として、比較的小型アンテナであれば金属パイプ下部を地中に埋める方法もあります。これは日常の使用には耐えますが、風圧加重計算から求めた場合、十分な強度に達しないかもしれません。

既存の構築物を利用

十分な強度を持つ既存の構築物にアンテナ取付用マストを固定する方法です。マストの固定方法は利用できる構築物の形状や環境に合わせた適当な固定金具等を準備してください。

アンテナ

組立

説明書等を参照すれば経験がなくても組み立てることができます。アンテナの組み立てには可能な限りゆったりとした広さの場所を用意してください。また、屋根のような不安定な場所を避け、安心して作業ができる場所を確保しましょう。

調整

アンテナを正しく衛星の方向に向けなければなりません。慣れない方が最も手を焼くのがこの作業です。スペクトラムアナライザのような測定器があれば大きな助けになりますが、あまり一般的ではなく高価な道具ですので借りてくることも困難でしょう。
本ページ下部にある、アンテナ調整のヒントを参照してください。

配線

通常1本か2本の同軸ケーブル(VHFのテレビやBS等に使用されている断面が丸いケーブル)でアンテナと受信機の間を結びます。人が通る場所にケーブルを配線をする際は、ケーブルに足をとられたりしないように注意をしてください。屋外から屋内への配管がなければ、クーラー用の壁穴等を利用することができます。

受信機

接続

アンテナからの同軸ケーブル、テレビ受像機からの映像(ビデオ)と音声(オーディオ)ケーブルを受信機の説明書を参照し受信機後面パネルのコネクタに接続します。

操作

受信機に受信しようとする信号の周波数等のデータを設定します。殆どの場合、この操作は、テレビ画面に表示されるメニューを見ながら付属のリモートコントローラで行います。

アンテナ調整のヒント

◆ 受信対象の衛星のおおよその方向

日本標準時は東経135度で南中する時間が正午と定められています。静止衛星は必ず赤道上空で緯度は0度ですから、衛星位置は経度だけで表します。
そのことから、日本では12時+(135-衛星の緯度)/15の式で求めた数の時間の太陽の位置に衛星があることになります。もっともこれは春分の日や秋分の日だけに当てはまり、夏は太陽より低い位置、冬は高い位置に衛星がありますが、衛星の位置のおおよその見当をつけるには便利です。
例えば、東経169度にあるPAS2では、12+(135-169)/15=9.733...となります。0.7333x60分は約44となりますから、PAS2は午前9時44分の太陽の位置近くということになります。
上記の計算で得た時間に陽がアンテナに当たる場所から衛星を見通せることになりますから、この計算をアンテナ設置場所の選定にも利用できます。

◆ 衛星の方位と仰角

受信しようとする衛星の方位と仰角はや計算から求めることができます。方位は、北を0度、東は90度、南は180度、西を270度として示されます。0度は真北を示し、コンパスの示す北ではありません。コンパスは磁極の北を指しますから、日本では真北から6度前後外れたところを指します。
それに対し、分度器と錘を一端に付けた紐があれば仰角は比較的容易に求めることができますから、仰角を先ず設定した後に方位を変化させて衛星からの信号を見つけるという方法をお勧めします。

◆ 衛星を見つけるには

スペクトラムアナライザがあれば衛星の方向を見つけることは比較的容易ですが、身近にないケースが殆どでしょう。そのような場合、受信機が表示する受信レベルをテレビ画面で確認しながらアンテナの方位を変えます。また、並行して「サテライトファインダ」と呼ばれる簡易メータで衛星からの信号を探すのも有効です。
アンテナを動かす際、アンテナの方位をゆっくりと変化させることがもっとも重要です。殆どの衛星アンテナでは2度程度上下、左右のいずれかの方向に外れるだけで信号が全く受信できなくなります。1分間かけて90度の範囲を動く程度の、ゆっくりとした速度で方位を変化させてください。

◆ オフセットタイプのアンテナの仰角は

真円のアンテナでは見かけと実際の仰角が一致しますが、オフセット型(楕円)アンテナの場合、アンテナが垂直な状態でもある仰角が存在します。この角度のずれはアンテナのモデルにより異なります。カタログに表示されているオフセット角がこれで、例えばオフセット角が27.76度であるR120では、アンテナ反射面を垂直にするとアンテナの仰角は27.76度ということになります。ですから、希望する衛星の仰角が、38.852度であれば38.852-27.76=11.092度が、アンテナ反射面が実際に上を向く角度ということになります。

◆ 偏波について

詳しくはここをクリック

◆ F/D比の設定 (Cバンドの場合のみ)

フィードホーン(LNBF)はアンテナ反射板で集められた信号を効率よく取り込まねばなりません。使用するアンテナのF/D比にフィードホーンを正しく設定してください。