Cバンド

D/L周波数が3.7〜4.2GHz (3700〜4200MHz)の帯域を指します。最近は下端が3.5GHzや3.6GHzまで延長された衛星もあり、この延長部分をExtended C-bandとも呼びます。
Kuバンドに比べ波長が長くなるので、アンテナサイズが大きくなります。また、地上マイクロ回線の影響を受ける場合もありますが、降雨による減衰が極めて小さいので、天候による影響が小さいという長所があり、降雨の多い熱帯地方ではCバンドが中心となります。大陸間通信にはKuバンドより一般的に利用されています。CバンドのU/L(アップリンク)周波数は6GHz帯が利用されます。

D/L信号

D/Lはダウンリンクの略です。衛星から地上に対して送信される信号を指します。

DiSEqC

アンテナ系統を受信機から制御するために作られた国際的な規格の名称で、主に1.0、1.1、1.2の3つのバージョンがあります。
1.0は4つまで、1.1では16までのアンテナ切替に対応します。1.2では1.1の機能に加え、1軸のアンテナ回転装置の制御も行えるようになりました。
また、バージョン2(2.0、2.1、2.2)では、上記の機能に加え「受信機⇔制御される機器」間で双方向の通信が可能になります。
一般に、バージョンの小数点以下が等しい場合、機器間には下位互換性があります。つまり、1.2と2.2の機器を組み合わせた場合、一部の機能は使用不可となりますが動作に支障はありません。
DiSEqCの制御信号はアンテナを受信機を結ぶケーブルを介して受信機から送られるので、アンテナの切替や回転装置の制御をアンテナ信号用のケーブルだけで行え、既存のシステムへの機能の追加が極めて容易であるのが特徴です。DiSEqCは欧州のKuアンテナのユーザーを対象として始まったものですので、回転装置は比較的小型の1.2m程度までのアンテナにしか対応しません。

F/D比

Fは焦点距離を、Dはアンテナ径を意味します。例えば焦点距離が50cm、アンテナの直径が120cmのアンテナであれば、F/D比は0.417 (50/120)となります。
CバンドのLNBFやフィードホーンの筒に記された数はF/D比です。使用するアンテナのF/D比と一致するようにスケーラーリング(フィード筒部の外側に取り付ける円盤部)を正しい位置に固定してください。例えば、PF1601G-C、PF1806PH-CアンテナのF/D比は、共に0.38ですから、ZCF-D21A等の筒の部分の「38」という数字のラインにスケーラーリングの前面が位置するように固定します。

FEC

Forward Error Correctionの略。デジタル信号を受信する際に発生する誤りを受信側で自己訂正するために、送信信号に自己訂正用の補足データが加えられます。その補足データと本来伝送しようとするデータの比率を表します。例えば、FECが3/4なら、訂正用補足データが全体の1/4で、本来伝送しようとするデータが3/4です。尚、殆どの民生用デジタル受信機はFECを自動設定してくれますので、特に注意を払うことはありません。

Kuバンド

D/L周波数が9.75〜12.75GHzの帯域が一般的です。日本の通信衛星では12.25〜12.75GHz、BSでは11.7〜12GHzというように、目的等により帯域が使い分けられていて、ひとつの衛星がKuバンド全体をカバーすることは一般的ではありません。
アンテナ径がCバンドに比べ小さくなりますが、送信側のビームがCバンドより狭い範囲を対象としているため、衛星が対象とする地域外で受信しようとするとアンテナ径が大きくなります。また、降雨や雲による減衰が極めて大きく、特に夕立時のように衛星方向の雲が厚くなると全く受信できないということもありますから、アンテナ径を決定する際は、必要最低限ではなく、多少の余裕を持つことをお勧めします。

LNB (LNBF)

Low Noise Block down-converterの略です。アンテナの反射板(電波用凹レンズ)の焦点に設置したフィードホーンに取り付けて使用し、衛星からの微弱な信号を増幅した後、Loバンド周波数に変換します。また、LNBFはLNBとフィードホーンが一体となったもののことです。

Lバンド

LNBから受信機へ送るのに利用される周波数帯域辺りをL-bandと呼びます。LNBから出力される周波数帯域は通常950〜2150MHzのいずれかとなります。

MCPC

Muti-Channel Per Carrierの略で、ひとつの電波で複数の映像信号を伝送する方法です。受信機にひとつの周波数とSRを設定するだけで複数の番組が受信できるようになります。

PID

Program IDの略です。デジタルTVでは映像や音声信号の両方がひとつのデータの流れの中にあり、時には複数の映像や音声信号があったり、コンピュータデータ等も含まれることがあります。これらの信号それぞれにID(判別コード)を付けて区別をするのですが、それをVideo(映像)ならV-PID、Audio(音声)A-PIDと呼びます。通常は受信機が自動的に各PIDを判別して自動的に設定してくれますから、受信機に設定をしたりする必要はありません。

SCPC

Single Channel Per Carrierの略で、ひとつの電波でひとつの映像信号だけを送る方法です。音声信号は1〜4チャンネルのいずれかが使用されるのが普通です。

S/N

信号・雑音比(Signal-to-Noise Ratio)のことで、信号がノイズレベルからどれだけ上にあるかをdB(デシベル)で示します。

SR

(シンボルレート)

デジタルTVはQPSKという変調方式で送信されます。その際の変調信号の周波数がシンボルレートです。デジタル受信の場合は、受信周波数と共にシンボル・レートを正しく設定しないと信号にロックしません(受信できません)から注意してください。

U/L信号

U/Lはアップリンクの略です。地球局から衛星に対して行われる伝送、または送信される信号自体を指します。

インクラインド衛星

静止衛星は実際には静止しているのではなく、赤道上空3万6千km上空を地球の自転に合わせて飛行しているので、地上からは静止して見えます。地上からの衛星制御を停止すると、星には太陽や月の引力の作用によりその軌道に変化が現れ、地球から見ると静止しなくなります。つまり、エネルギーを使って「静止」させているのです。そのため、衛星のエネルギーを少しでも節約しようと制御を抑制をしている衛星があり、その結果として地球から見ると「8」の字を描いてふらついている衛星をインクラインド衛星と呼びます。たった2〜3度のずれでもシャープなアンテナですから、インクラインド衛星からの信号を連続して受信しようとするにはアンテナ自動追尾が必要です。

カラー方式

カラー・テレビの映像フォーマットが世界中に複数あります。その主なものがNTSC、PAL、SECAMの3種類です。NTSCは米国、日本、台湾、韓国、フィリピン等で、SECAMはロシアやフランス、その他の大多数はPALを使用しています。そのため、衛星テレビではPALが利用されることが多くなります。日本で通常販売されているTVやVCRはNTSC用ですから、PALやSECAMに対応するにはカラー方式の変換器を用いる必要があります。また、どのカラー方式にも対応するマルチ・システムのTVやVCRも入手可能です。購入については潟潤[ドまでお問い合わせください。

スクランブル

伝送されている映像や音声を一般受信機では再生できないようにする処理のことです。Encryptionも同意です。スクランブル処理される信号を大別すると2種類あり、ひとつは有料番組と無料番組との区別です。スカイパーフェクトやWowowがそれで、専用の受信機を準備し、料金支払いの契約をすると衛星からの信号を通じてスクランブル解除のための鍵信号が受信機に送られて受信が可能となります。
他方は内容の秘匿化に利用されるものです。番組によっては中継回線も秘匿化することを条件に番組購入契約がなされていることがありますし、国際企業等のTVネットでは外部に漏れては困る極秘内容について伝送されることがあります。このような場合は、特殊な受信機を準備しても送信側に受信機のID登録が正しく行われていない限り、映像や音声の再生できません。

トランスポンダ

衛星の中継器のことです。ひとつの通信衛星で30から50もの中継器があるのが一般的です。中継器一台当たりの周波数帯域は27〜72MHzと様々です。伝送される信号数は中継器一台当たり一波とは限りません。例えば、72MHz帯域の中継器一台なら9MHz帯域の信号を8波並べて利用することもあり、必ずしも同じ場所からU/Lされている訳ではありません。
各トランスポンダの信号強度が公表されていますが、それが正しいとしても、その数値を見て電波の強さを推測する場合、トランスポンダの帯域と受信しようとする信号の帯域で実際の信号強度は大きく変化することに注意をしてください。

フィードホーン

アンテナで反射された信号を取り込むためにアンテナ反射板の焦点に取り付けられる部品です。通常はこれにLNBを取り付けます。C/Kuバンド、偏波等に対応した形式のものを選択してください。円偏波の場合には、フィードホーン内部に誘電体プレートを取り付ける必要があります。左右の回転に合わせて正しく設定をしてください。

フィルター

マイクロ波からの混信を除去するためのフィルターは2種類に大別できます。
ノッチ・フィルタは特定の周波数の信号だけ減衰させるもので、フィルタの中心周波数を混信信号に合わせると混信信号のレベルが低下します。混信信号が受信目的信号に近接するだけなら、ノッチフィルタは効果を発揮しますが、混信信号が受信目的信号と周波数的に重なっている場合には、受信目的信号も減衰してしまいます。この問題はデジタル信号の場合に顕著で、デジタルTVへの混信対策には有効なフィルタとは言えません。
バンド・パス・フィルタはある帯域の信号だけを通過させるものです。レーダ等、Cバンド帯域外からの信号であってもレベルが高すぎればCバンドの信号受信に影響を及ぼすことがあります。このような場合には有効なフィルタです。

偏波(へんぱ)

衛星からの電波にはバネのように回転してくる円偏波と(Circular Polarization) と、平面に波を描いたような直線偏波(Linear Polarization)があります。
円偏波には回転する方向により右回転(Right Hand Circular)と左回転(Left Hand Circular)があり、直線偏波には上下に波打つ垂直偏波と左右に波打つ水平偏波があります。
CバンドのフィードホーンやLNBFに誘電体の板が付属しています。これをフィードホーン開口部の中に規定の角度で設定すると円偏波対応となります。
直線偏波(垂直偏波や水平偏波)では、衛星を見る場所によってその角度は傾斜してしまいます。例えばPAS2を日本で受信すると、垂直偏波の信号も水平偏波も45度近く傾いてしまい、どっちが水平?と思うほどです。ですから、垂直、水平という言葉に紛らわされないように注意してください。ただ、両偏波の間が90度であることは違いありません。
CバンドのフィードホーンやLNBFに誘電体の板が付属していますが、直線偏波の場合には使用しません。
偏波角度の調整(両偏波を切替対応するLNBFの場合)
円偏波の場合は衛星からどの角度から見ても右は右、左は左ですから問題がないのですが、直線偏波では上記の理由で角度が曖昧になりますので、衛星からの信号を受信してから、信号強度が最良となるようにLNBFの取付金具を緩めてLNBFを回転させて偏波角度を調整してください。

フットプリント

衛星から地球への送信に利用されるアンテナは、受信対象とする地域での信号強度が最大となるように設計されています。例えばBSは北海道から沖縄まで受信可能ですが、日本列島に沿う形のビームで送信されているので本来の対象地域外の韓国ソウル付近まで行くと信号強度が極端に低下しますし、小笠原も主ビームから外れてしまうので補正ビームが別に用意されています。衛星の対象地域に信号のエネルギーが効率よく配分するため衛星のビーム範囲に設計されています。
このビームの特性を示す図として、普通の地図の等高線のように、衛星の信号強度が一定な点を線で結んで示された地図が用意されていて、これをフットプリントと呼びます。この図があれば、受信しようとする地点での信号予想強度が判ることから、受信に必要なアンテナ径を判断することができます。

方位と仰角

ある地点から衛星がどの方向に見えるかを方位と仰角で表わします。方位(Azimuth)は地球の自転軸の北極の方向を0度、東が90度、南が180度、西が270度としています。方位は磁石で見るのが普通ですが、磁石は磁極の北を指し、日本では方位として示される数値から5〜6度程度ずれることに注意してください。仰角(Elevation angle)は水平から上へ向かう角度です。

●衛星テレビに関して不明な語彙があれば、Eメールでご遠慮なくお尋ねください。 mail@wardincjp